耐震補強


 

 耐震補強工事とは

耐震補強工事とは、既存の住宅の耐震性を向上させる建築工事のことです。特に1981年以前の旧耐震基準で建てられている住宅は、必要だと言われています。
耐震補強工事の前には、正しく住宅の耐震性を診断する必要があります。耐震補強工事の注意点や具体的な事例は以下の通りです。

耐震補強工事のポイント

地盤


建物がどのような地盤の上に建っているかによって耐震性が異なります。たとえば、山の斜面の造成地、海や川などの近くは地盤が弱く、耐震性が強くない可能性があります。

建物の形状


耐震性は住宅の形状によっても異なります。一般的に正方形、長方形などの箱型の建物は地震に強いといわれています。一方、L字型、コの字型などの建物は地震のエネルギー
が集中しやすい一点があり、打撃を受けやすい傾向があるようです。

建築時期


1981年以前の旧耐震性基準で建てられた住宅は大規模な揺れで倒壊するリスクがあり、もっとも耐震補強工事が必要としているといっても過言ではありません。
一方、2000年以降に建てられた新しい耐震基準にのっとった住宅は、壁のバランス、柱、筋交い等に使用する金属の種類なども決められています。


壁は建物の耐震性を決定する重要な要素です。壁が薄く、壁に耐震用金具・筋交い・構造用合板などが設置されていない場合は、耐震性が低いといえるでしょう。

耐震補強工事の具体例

耐震補強工事には様々な方法があります。いくつかの事例を紹介します。

基礎の補強


基礎の部分が弱いと建物は地震には耐えられません。もし、基礎が鉄筋の入っていないコンクリートならば、鉄筋コンクリートを入れて補強します。また、鉄筋コンクリートを使用していてもヒビが入っている部分があるならば、しっかりと改修しておかなければいけません。

シロアリ対策


建物の土台や柱がシロアリ被害を受けると、耐震性に問題が生じます。土台の取り換えや、柱の浸食された部分だけを新しくする根継ぎなどが必要です。新しいも木材は必ず防腐、防蟻処理を施し、これ以上のシロアリの被害を防ぐようにします。

壁の補強


間仕切り壁に筋交い、構造用合板などを取り付けて耐力壁にするのもひとつの耐震補強工事です。

屋根の軽量化


重い屋根は建物を倒壊しやすくします。例えば重い日本瓦を使用しているならば、軽いスレート瓦、金属板金屋根などに交換するだけでも耐震性向上が期待できます。

耐震補強工事の相場

耐震補強工事はどのような住宅に施すかによって必要なコストは異なります。それぞれの相場は以下の通りです。

鉄筋コンクリート住宅

鉄筋コンクリート住宅の耐震補強工事にかかる費用は15000円/㎡~50000円/㎡が相場と言われています。

木造住宅


木造住宅の耐震補強工事にかかる費用はおよそ150万円です。ただし、1981年以前に建てられた住宅は工事しなければならない箇所が多いので、それより高くなる傾向があります。

部分的な耐震補強工事

耐震補強工事は住宅の一部だけに施工することも可能です。ただし、特定の場所だけを補強しすぎて建物全体のバランスを崩す耐震性を損なうことにもつながります。
耐震診断に基づき、全体を見ながら工事をしていくことがポイントです。部分的な耐震補強工事には、例えば次のようなものがあります。

・屋根瓦を軽い素材に張り替える      約130万円(85㎡程度)
・外壁の柱や土台に耐震パネルを取り付ける 約85万円
・壁に耐震パネルを取りつける       約15万円(1か所あたり)

ご不明な点がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。